Vol.122 井上眼科の白内障診療 どう選ぶ?眼内レンズ
井上 賢治
医療法人社団 済安堂 理事長
井上眼科病院 院長
その主な原因は加齢によるものです。近年では、手術の方法から眼内レンズの種類まで、白内障診療は患者さまのライフスタイルに合わせた選択肢が広がってきています。
白内障手術の最前線
多様化した生活スタイルや趣味に合わせて、レンズが選べる時代
眼内レンズの種類や保険適用の有無で広がる選択肢
①単焦点眼内レンズ
②多焦点眼内レンズ(選定療養)
③多焦点眼内レンズ(自由診療)
の3種類で、年間約8200件の白内障手術を行っています。そのうち約9割が保険適用の①と部分的に保険適用される②で、残りの約1割が自由診療の③です。今回はそれぞれの眼内レンズの特徴と、今年新たに導入された多焦点眼内レンズをご紹介しながら、眼内レンズ選びのポイントをお話ししたいと思います。
3種類の眼内レンズの特徴
②の多焦点眼内レンズは、複数に焦点を合わせられますが、ピントがやや甘く夜間に光がにじむことがあります。
一方、③の多焦点眼内レンズは、若い頃の視界に一番近いと言われています。ただし自由診療となるので費用が高額になります。また眼の状態によっては手術が受けられない場合もあります。
多様なオプションから多焦点眼内レンズを選べる「レーザー白内障手術」
レーザー白内障手術では、重要な工程を高精度のフェムトセカンドレーザーが全自動で行います。待ち時間がほとんどない自由診療のフロアでの診察なので、お忙しい方でも予定が立てやすいのも魅力でしょう。
どの製品も一長一短。眼内レンズを選ぶ際のポイントは?
多くの方にとって白内障手術は一生に一度のもの。幸い、白内障手術は緊急性がないことが多いので、じっくり時間をかけて正しい知識を得ていただきたいですね。当院グループでは、医師による説明に加え、視能訓練士による丁寧な事前カウンセリングを行っております。ぜひ、十分に納得された上で、ご自分のライフスタイルに合った眼内レンズをお選びください。
当院では、以下の種類の眼内レンズを取り扱っています。
種類によって見え方には違いが出ます。
単焦点眼内レンズの見え方
[ 単焦点眼内レンズ:保険適用 ]
ひとつの距離にピントを合わせます。合っているところは鮮明に見えますが、それ以外を見るにはメガネが必要です。上記写真は、遠くにピントを合わせた場合の見え方です。
多焦点眼内レンズの見え方
[ 多焦点眼内レンズ:選定療養※/自由診療 ]
複数の距離にピントを合わせます。見える範囲は広いですが、ピントが甘く光がにじむことがあったり、希望する見え方にはならない場合もあります。
眼内レンズの疑問、
先生に聞きました
田中 宏樹
西葛西・井上眼科病院 院長
Q. 他の眼の病気があっても、多焦点眼内レンズを入れられますか?
徳田 芳浩
井上眼科病院 副院長
Q. 手術を受けるタイミングはいつがいいでしょうか?
野﨑 令恵
大宮・井上眼科クリニック 院長
Q. 多焦点眼内レンズを選ぶと、メガネは不要になりますか?
清水 恒輔
札幌・井上眼科クリニック 院長
Q. 眼内レンズには寿命はありますか?